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Stage
日時: 2004/07/19 23:48
名前: UNO+

プロローグ


ドラフト会場はその名前がアナウンスされた時は、
球団関係者以外誰一人としてその名前を
気にとめる者はいなかった。
愛知ラッツの七位指名の蘭にある一人の高校球児の名前が記されてある。
芹沢 秋人(せりざわ あきひと)。
彼はごく普通の高校球児でとりわけスーパースターだった訳でもない。
ならば注目される訳がない。
その後順調に会議も終わり、今年のドラフト会議は幕を閉じた。

     ☆

「あ、あんた・・・七位だってさ・・・」
時刻は午後二時三十分。
家の庭先でバットを振っていた秋人は窓を豪快に開けて
そう言った母に眉を寄せ聞きなおした。
「は?何の七位なのさ」
母は唾をゴクリと飲み込んで言った。
「ラッツよ!ドラフトの七位に、ラッツの七位にあんたが指名されたのよ!」
正直その後球団から電話が来るまでは、
母の言葉を信じる事が出来なかった。

     ☆

『では、明日、学校側へ挨拶に参りますので
その時は宜しくお願いしますね。それでは』
チン。
今では珍しい黒電話の受話器を秋人はそっと置いた。
しばらくその場につっ立って考えていた。

なぜ俺が指名されたのだろうか。
特に注目されていたわけでもなく、ただ地方で
ちょっとばかり名が通っただけでプロになろうとは。
去年球界大改革が起こり全十球団の一リーグ制に
なって全ての球団が球団名などを変更した。
ラッツは愛知県のフランチャイズ球団。
それほど強くはないが弱くもない中堅クラスの球団だ。
そこに自分が入るなんて・・・・・・。

すると視界に母が入ってきた。
一旦思考回路を切断し、母に相談してみる事にした。
「ねぇお袋。俺本当にプロに選ばれる資格あるのかなぁ」
母は曇った表情一つ見せず大らかに言った。
「何言ってんの!プロのスカウトってのはねぇ、
成績だけで取るだけじゃないんだよ。その選手に
才能があると感じ取れば下手でも取ってくれるんだよ。」
そう言って背中を思い切り叩かれた。
背中をさすりながら秋人は無言で頷き部屋へと戻った。

*****

どうも。
新参者のUNO+と申すものです。
まずはプロローグと言う事で短めにしました。
次から本格的に本編へと入っていきたいと思います。
感想やダメだし頂けたら幸いです。
それでは。。。
メンテ
Page: [1]

Re: Stage ( No.1 )
日時: 2004/07/20 21:11
名前: ゴズィラ

初めまして! UNO+さん。 当サイト責任者のゴズィラです。。。
早速の小説投稿、誠に有難う御座いました!

予想外にもドラフト指名を受けた主人公。そんな主人公
の複雑な思いが交錯されていますね。 心理描写を強調
した良い内容だと思われます^^

続きも是非、頑張って執筆してくださいませ。
メンテ
Re: Stage ( No.2 )
日時: 2004/07/21 17:28
名前: UNO+


第一話 「巣立ち」


朝。
秋人は普段通り学校に通うべく制服の
ボタンを締め、鞄を持って玄関へ向かった。
昨夜は緊張して眠れないと思っていたが
わりとすぐに寝付けた。
それに今日だってそれほど緊張はしていない。
靴紐を結びながら秋人は自分の落ち着きように
少し驚いていた。

「じゃ、行ってくるよ」

身長は高くないほうだが母よりは高い。
見送りにきた母を少し見下ろして言った。

「別にお金のことはどうでもいいから。
提示されたものは全部快く受け入れなさい。」

昨日のように母は気丈に振舞ってくれた。
それにつられ秋人も笑みがこぼれる。
玄関の戸を開け秋人は出て行った。


「ふぅ・・・」

母は一息ついてゆっくりと和室へ向かった。
仏壇の前で正座し目を瞑り手を合わせる。

「あんた・・・私達の息子は立派に成長したよ・・・。」

仏壇には一人の男性の遺影が置いてある。
母は零れそうになる涙を抑え仏前を後にする。

     ☆

「では、今日はこれで。明後日が入団会見となりますので
時間前には球団事務所まで来て下さいね。」

校長室に球団関係者が三人、野球部の監督、
校長、教頭、そして秋人がいかにも高価な
ソファに座っている。

「本日はお忙しい所ありがとうございました。」

校長の言葉で教頭、監督が頭を下げる。
スーツを着た球団関係者の見送りが済み
今一度校長室へ戻る。

「いやぁ、やりましたな。これでここの野球部、
それどころかこの学校の知名度も上がりますな」

校長と教頭が談笑していたが聞いてないフリをした。
すると監督が秋人の肩に手を置いて言った。

「まずはおめでとう。俺個人としてはそんな大した
指導はできなかったように思う。プロになれたのは
お前の実力、そして努力の成果だ。胸を張れ。」

監督は微笑んで肩をポンと叩いた。
秋人は監督にのみ握手をして校長室を出た。

     ☆

部室前。
今年の夏まで毎日ここに通っていたことを思い出す。
最後の夏の大会はあっけなく終わった。
同点で迎えた九回の裏、相手校の攻撃で
二死二塁。打者は九番。初球だった。
二塁走者が何を思ったか盗塁をしてきた。
秋人はその県内でも屈指の強肩捕手。
楽々アウトのところを余裕たっぷりに送球。
暴投。ボールはレフトを点々。
そのまま走者が還りサヨナラ負け。
という有様。
さすがにその時は涙が溢れた。
ホームベース上でうずくまる秋人をナインは
励ましてくれた。そんな思い出が蘇る。
感傷に浸っていると部室の扉が開いた。

「お、久しぶり。」

中からは同級生で野球部の
夏川 一(なつかわ はじめ)が驚いた表情で出てきた。

「お、おぅ。ひさし・・・」

「おめでとさん!お前ラッツに指名されたんだって?
さすがだな。強肩強打好リード、オマケに甘いマスクの捕手って
ことで有名だったもんな。この近辺だけだけど。
いやぁ、俺もお前にいろいろ助けられたもんだ。うん。」

よく喋る奴。
夏川はそういうおどけた性格で一応エースを務めていた。

「あぁ、ありが・・・」

「俺は思ってたよー。お前がプロになれる逸材だって事。
ありゃ確か一年の秋に一緒にベンチ入りした時だったかな。
俺は控えだったけどお前はいきなり正捕手だもんな。
んでいきなり初打席ホームラン。しかも場外。
そりゃあもう俺はたまげたさ。そこでピピッと感じたんだよね。」

しかしよく喋る。おまけに滑舌である。

「うん。ありがとう。で、お前・・・」

「あ、サインくれ、サイン。きっとお前はすごい選手になる!
あと写真撮らせて。それから・・・」

秋人はまだ続きそうな夏川の言葉を遮って
少し声を張り上げて言った。

「お前はこの先どうすんの?野球やめるのか?」

夏川は即答した。

「野球はやめないよ。俺はとりあえずノンプロで
まったりやってみるさ。一応いいとこからスカウトされてな。
そこに行こうかなって」

「そうか」

秋人は気さくな夏川が野球をやめないか心配していたが
その夏川の言葉を聞いて安堵の表情を浮かべる。
お互いに固い握手をしてその場を去った。

*****

どうも。第一話完成いたしました。
少しでも読みやすくなるように行間を空けてみました。
ゴズィラ様、感想ありがとうございました!
感想、ダメ出し大歓迎ですので
またよろしくお願いします。
それでは。。。
メンテ
Re: Stage ( No.3 )
日時: 2004/07/29 21:48
名前: UNO+


第二話 「新人王」


秋人は右手に球団事務所の住所が
書かれた紙切れを持って電車を降りる。
さすが県内でも有名な地域である。
人の足並みは自分が住んでいる地域に比べ
格段に速い。速めに歩いても
抜き去っていく人々の迷惑がっている視線が
痛かった。駅の所々に『コーチン』という文字が
書かれた看板がある。
そこまで宣伝しなくてもいいだろうと思ったが
そんなことよりまずは事務所を探す事だ。
コンビニの店員などに聞いて
駅から十分程度の所に事務所はあった。

   ジリリリリ

まず呼び鈴を鳴らす。
するとスピーカーから女性の声がした。

『はい、どちら様でしょうか?』

「あ、芹沢と申しますが入団会見の・・・」

全てを言い終わる前に扉が開き
中へ入るように促された。
それほど大きくはない建物で最上階は五階。
事務所本部は三階にあるらしい。
エレベーターで三階まで移動した。

降りた先には少し長めの廊下の突き当たりに
扉が一つあった。
おそらくそこでいろいろと手続きがあるのだろう。

   コンコン

「ドラフト七位で指名を受けた芹沢です。」

「入りなさい」

そう言われて静かに戸をあけて入室した。
中はいたって清楚で中央にガラスの机があり
奥には少し大きいデスクに椅子があった。
室内には社長らしき人とその隣に秘書らしき女性、
その反対隣には高校に出向いた人がいた。

「おぉ。よく来た。君が一番乗りだよ。」

見た目はとても優しそうな感じだ。

「他の新入団選手が来るまでそこに腰掛けていてくれ。
今お茶でも出すから。」

結構対応が親切であった。
秘書の方がお茶と和菓子を机に置いたと同時に
部屋の扉を叩く音が聞こえた。

「ドラフト二位指名を受けた出水です。」

秋人に言ったように社長が入室を促した。
扉が開くと割りと小柄な選手が入ってきた。

「おぉ。君が出水君か。噂は聞いているよ。
よく来てくれたね。じゃあ芹沢君の横に腰掛けてくれるか。」

出水は「はい。」と返事をした後、秋人の横へ座った。

「君は芹沢君だよね。僕は龍牙学園出身の
出水 相馬(いずみ そうま)っていうんだ。よろしくね。」

「よ、よろしく。」

そう言って握手を交わした。
龍牙(りゅうが)学園と言えば甲子園常連の強豪校で
今気付けば出水という名もテレビや雑誌で聞いた事があった。
確か小柄ながら捕手を務め、その体型に似合わず
四番を任されて、足も速い超高校球の選手だ。
秋人も同じポジションのため少し落ち込んでいた。
その後次々と指名を受けた選手らが事務所へ到着した。

「これで全員かな?」

「いや、まだ一位指名の選手が来ておりません。」

重役は手に持った資料を眺めつつそう言った。
さすがドラフト一位。遅れて登場というわけか。
秋人は自分が七位なだけに少し妬んでいた。
すると何も言わずに一人の男が入ってきた。

「おぉ!来たかね。」

社長が立ち上がってその男を迎えた。

「社長、お久しぶりです。」

その男はペコリと社長に頭を下げた。

「久しぶりだな、剣持君。君で新入団選手が揃ったよ。」

まさかとは思ったがやはり本人であった。
剣持 麗二(けんもち れいじ)。
彼は四年前の甲子園春夏連覇を成し遂げた
名門昴坂(すばるざか)商業高校の大エース。
その年にプロ七球団からのドラフト指名があったのだが
全て拒否しアメリカの教育リーグへと進んだ。
その他の選手もそれなりに名の通った選手ばかりだった。
秋人はやっていけるか不安になりながらも手続きを済ませ
入団会見、新入団選手インタビューの会場へ移った。

     ☆

その途中。
秋人は中でもわずかながら会話をした出水と
並んで歩いている。

「さすがだよね。剣持さん。後ろから堂々と歩いてくるよ。」

出水は左手で口を隠すようにして小声で秋人に言った。

「う、うん。あれだけ騒がれてたんだから
相当自信持ってるんだろうな。出水君だって有名じゃないか。」

出水は童顔で可愛らしい笑みを浮かべ恐縮して言った。

「あ、相馬でいいよ。同い年なんだから。有名って言っても
その時はたまたま調子がよかっただけだよ。
出水君も結構評判だったんだよ。」

「一でいいよ。いや、相馬ほど有名じゃないよ。」

その後もお互いに謙遜しあっているうちに会場へ着いた。
両開きの扉で中からは大勢の話し声が聞こえてきた。

「では、まず一人一人目標や抱負を言ってもらいます。
そして最後に集合写真を撮りますので。
特に緊張なさらずに受け答えお願いしますね。」

重役はそう言って扉を開けた。
ざっと見て五十人くらいはいるだろうか。
報道関係の人たちがカメラや手帳持ち、奥のほうには
テレビカメラまで設置してあった。
それほどまで注目されているのか。
勿論この報道者の数のほとんどが剣持、そして出水を
メインとして取り上げるつもりである。

「では順に入団経路、氏名、ポジション、目標または抱負を言ってください。
まず一位指名の剣持選手からどうぞ。」

剣持は言われてからもすぐには立たず、少し間をおいて
静かに立ち上がった。
それだけでもフラッシュがたかれるほどだった。

「アメリカ教育リーグ、イエローソックスから入団した
剣持麗二です。ポジションは投手です。当面の目標は
まず新人王になり、その他のタイトルとして最多勝、最優秀防御率、
奪三振王など諸々獲得します。」

報道陣からは大きな歓声が上がった。
言う事が違う。
秋人は驚きのあまり何を言おうか頭の中から全て吹っ飛んでしまった。

「えと、龍牙学園出身の出水相馬です。ポジションはキャッチャーです。
目標といいますか抱負は、なるべく一軍でプレーできるように頑張ります。
宜しくお願いします。」

一礼して座った。
出水は拍手を送られ少し照れ気味に頭をかく。
そしてあっという間に秋人の順番が回ってきた。

「せ、芹沢秋人です。き、鬼王館(きおうかん)高校出身です。
ポジションは捕手です。抱負は・・・とにかく頑張ります。」

自分の頭の中にあったものとは全く違う事を喋ってしまった。
もっと上手く滑舌に言えると思っていたら大間違いだった。
抱負について報道陣の方からいくつか忍び笑いが聞こえた。
これではまずい。そう思った秋人はついとんでもない事を
口走ってしまった。

「目標はっ・・・その、新人王になります!」

会場が静まり返った。
いくつかのカメラが床に落ちる音がした。
隅にあった獅子脅しの音がやけに会場内に響いた。
そこにいた全ての人の秋人を見る視線が
「こいつ何を言っているのだろう」という目で見ていた。
気まずいながらも無事に会見は終わった。

*****

どうも。第二話完成でございます。
まだ序盤ということでおもしろくもなんともない作品です。
これから面白そうな展開を予想させつつそうでもない
ストーリーを展開していくつもりですので(マテ
暇つぶしにでも読んでくださればと思います。
それでは。。。
メンテ
Re: Stage ( No.4 )
日時: 2004/08/12 21:41
名前: UNO+


第三話 「がんばれよ」


「新人王になります!」

なんて事を言ってしまったのだろうか。
剣持という大物投手に同じポジションで
甲子園出場経験のある出水の二選手、
さらに球界には腕に覚えのある者達が
わんさかいると言うのに・・・。
たかが七位の選手が新人王とは。
会見の日の翌朝の新聞には割りと大きめに書かれていた。
おそらく周囲の人たちに笑われているだろう。
まぁあくまでも目標なのだからいいのだが。

     ☆

元旦。
秋人は初詣に行くべく近くの神社に向かう。
その途中。

「おーい。芹沢!」

後から自分を呼ぶ声に振り返ると
そこには幼稚園からの腐れ縁とも言うべきか
見慣れすぎたそいつの顔が見えた。

「何だよ。」

「何だよはないだろ!あけましておめでと!
今年もよろしくな。」

「あぁ。」

秋人は前に向き直ってさっきより速めに歩いた。

     ゴツ

後頭部に何かが当たった。
さすりながら下を見るとゲタが落ちていた。
そいつは言う。

「ちょっとぉ!久しぶりの再会でしかも元旦なのに
何だよその態度。よろしくって言ってんのに「あぁ。」はねぇだろ!」

いつもこうだ。
何かと会えばとやかく言ってくる。
浦城 沙織(うらき さおり)はおせっかいな
幼馴染の女だ。
活発で昔はよく男子に混ざって野球をしたものだ。
今では結構女らしくなった方だがどこか男気溢れている。

「いってぇな!年頃の女がゲタ飛ばすんじゃねぇ!」

「いてぇに決まってんだろ!よろしくって言ってんだから
よろしくって言い返せこの馬鹿!」

相変わらずの男口調。
せっかく着飾った着物も性格とのギャップが華やかさを
薄くしている気もする。
ギャースカ言いながらも結局一緒に神社へ着いた。

「どけ。俺が先にお参りすんだ。お前はおとなしくそこで待ってろ。」

そんなことを言われてどく浦城ではない。
眉間にしわを寄せて無愛想に言い返した。

「あんたがどけよ。レディファーストって言葉を知らないのか?」

秋人の頭に何か違和感があった。

「お前のどこがレディだよ!どっちかっつーと
俺のほうが料理も洗濯もできるほうだぞ!
もうちょい言えば敬語も結構できるぞ!」

「ば・・・うるせぇな!それは今関係ねぇだろ!性別の話をしてんだよ!」

神の前で何をしているのか。
十分ほどそこで言い合った後
やっぱり一緒に賽銭箱にお金を投げ入れた。
顔の前で合掌し目を瞑る。

「あんた、何てお願いしたの?」

「何でお前に言う必要があるんだよ。人の聞く前に
お前から言えよな。」

どうせまた口論になるだろうと思っていたが
意外にも浦城はすんなり教えてくれた。

「あたしは一応受験生なんでね。大学合格できるように、ってな。」

「お前大学行くんだ?」

「あたりまえだろ。あんたとはここの出来が違うからな。
もちろん有名大学を受験するつもりだけどな。」

浦城は頭を二回ほどつついて自慢げに言った。
確かに浦城は口は悪いが頭は学年でもトップクラスだった。
常に順位は一桁で逆に秋人は中の下ほどであっただけに
何も言い返せなかった。

「そうか。俺はプロでやっていけますようにってな。」

浦城は数回小さく頷いた。

「そうか。あんたプロの選手になったんだったな。
昔チビの頃よく一緒に野球やったよな。あんた散々
『俺はプロ野球選手になる!』って言ってたし。
夢、実現したじゃねぇか。そこはすげーと思うぜ。」

おそらくこれが初めてだろうか。
記憶を辿っても浦城に褒められた事はないように思える。
どこか照れくさそうに下を向きながらも喋る浦城に
秋人はほんの少し見とれてしまった。

「あ、ありが・・・・・・。」

「ま、まぁ別にあんたを褒めたわけじゃねぇけどな。
きっとあんたの事だからちょっとやってダメで
解雇されるのがオチだな。」

普段の秋人ならすぐさま言い返すのだが
なぜかこの日は違っていた。
この減らず口が聞けるのもこの次はずっと先かも
しれなかったから。

「いや、ありがとな。なんだかやる気出てきたわ。」

秋人は自分より背の小さい浦城の頭をポンと
小突いて言った。
浦城は照れているのか頬を赤らめながら
本当に小さな声で「がんばれよ。」と言った。
秋人の聞こえないように言ったようだが
秋人の耳にはちゃんと届いていた。
でも聞こえてないフリをして帰路へついた。

あと数日で春季キャンプが始まる。
それぞれの思いを胸に秘め・・・。

*****

どうも。第三話できあがりました。
どうぞお召し上がれ。(マテ
前回より少し間があきましたが
そこらへんは気にせずに。
文脈的におかしいトコも多々ありますが
大目に見てください。おねがいします。(ぉ
それでは。。。
メンテ
Re: Stage(訂正) ( No.5 )
日時: 2004/08/13 17:49
名前: UNO+

すみません・・・・・・。

後々読み返してとんでもない設定ミスがありました・・・
えと、第二話の出水と芹沢がお互いを褒め合っているシーンで出水が芹沢も有名だったと言い始めたシーンより。

1個目(出水が)
×→「・・・出水君も結構評判だったんだよ。」
○→「・・・芹沢君も結構評判だったんだよ。」
恥ずかしい間違い・・・・・・。

2個目(芹沢が)
×→「一でいいよ。〜。」
○→「秋人でいいよ。〜。」
なんで夏川が出てくるんだ?

一応見つかったのはこれぐらいです・・・
またありましたら直しますので。。。
どうもすみませんでした^^;
メンテ
Re: Stage ( No.6 )
日時: 2004/08/28 16:19
名前: UNO+


第四話 「手応え」


とうとうこの日がやってきた。
球団の寮への入寮を済ませいよいよ
春季キャンプが始まる。
キャンプの前に新人合同自主トレを
実施したのだがその時秋人は
流行の風邪にかかっていて欠席した。
もちろん完治してから遅れをとらまいと必死に
自主トレに励んだ。

新品のユニフォーム、帽子、ズボンなど
どれもこれもが全て光っている。
秋人に与えられた背番号は60。
まぁ所詮七位なのだからその辺はあたりまえか。
ちなみに出水は4。剣持は18であった。

午前九時。
集合がかかった。
テレビで見慣れた選手や監督が目の前にいる。
監督と選手会長に促され軽く自己紹介をさせられた。
なぜか秋人が自己紹介をしている最中は
忍び笑いが少々聞こえた。
やはり入団会見の時のあれか。
簡単に済ませ練習に移るという。

「秋人!別に気にする事ないよ。僕は全然いいと
思うな。目標が大きければ大きいほど人間って
成長できると思うよ。」

出水が後から尻を軽く叩いてみせた。
なんだか胸にあった不安が消えて楽になった気がした。

     ☆

全員で軽くランニング、ストレッチを済ませ
ポジションごとに集まり練習メニューを聞く。
その中で一軍クラスの選手、
そうでないレベルの選手とに分かれた。
秋人は後者の方のクラスに入った。
もちろん出水は一軍クラスの方へ呼ばれた。
一軍とそうでないもの。
一軍でなかったら二軍でしかなかった。
別れ際に

「僕はギリギリこっちだけど秋人はすぐに
こっちに来れるよ。待ってるからね。」

一応同じポジションなのだからライバルになるのだが
出水はその気すら見せなかった。
軽く頷いて指示を待った。

「え〜、それじゃあこちらをBクラスとして話をしよう。
まず、俺がBクラスの捕手コーチを務める
金城(きんじょう)だ。」

捕手は一軍クラス、つまりAクラスとBクラス合わせて
八人ほどいたが、Aクラスには出水を含めても
三人しかいなかった。
Bクラスには体力の衰えてきているベテランの選手や
一軍経験の浅い選手などがいた。
まず最初の練習として肩慣らしから入り、
下半身トレ、スローイングチェックなどが行われるようだ。

「では、まずキャッチボールから入る。
それぞれ遠投までもっていくこと。」

Bクラスの捕手は五人。奇数だ。誰かが一人余る。
きょろきょろしている間に取り残された。
誰かに秋人がはまった。

「そうか、奇数だったな。よし。えっと・・・・・・
芹沢は俺とやるか。」

背中に回りこんで金城はそう言った。

帽子を取って一礼する。

シュッ パシィ
ビシュッ バシィ

「おい、芹沢!最初からそんなだと
肩を痛めるぞ!」

秋人はなんのことだかさっぱりの様子で
黙々とボールを投げる。

ビシュッ バシィ
シュッ パシィ
ビシュッ ドシィ

金城のミットからは重そうな音が響く。

(こ、こいつ・・・・・・)

金城は左手の痺れに何かをつかんだ。
塁間、そして遠投をほどほどに済ませ
再び金城からの指示が出る。

「よし。そこまでだ。次はフットワークだな。
芹沢以外の四人は三塁ベンチ前に
プロテクター、レガース、メットをつけて集まれ。

秋人以外の四人は言われたとおり
自分の捕手道具をつけて移動し始めた。

「金城さん・・・俺は何をするんですか?」

秋人は不思議そうに尋ねた。
すると金城はある場所を指差して言った。

「お前はあそこで指示を受けろ。」

秋人が目をやるとそこには・・・。

*****

どうも。第四話完成です。
もう夏休みも終わりですね。
そうですね。(ハ?
最近スランプ気味なので勘弁してください。
それでは。。。
メンテ

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